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帰村、除染。旧警戒区域(2)

«帰村、除染、旧警戒区域。(1)1年後の警戒区域を歩いて»

福島県川内村 2012年5月15日

「孫が生まれた年に、孫には体に良いものを食べさせたいって、有機農業を始めたんですよ。
孫は中学生だから12年前ぐらいからかな。」
昨年、自主検査を目的とした作付けを川内村で唯一行った秋元美誉(よしたか)さんは、
今年も検査目的のための作付けを行った。今年、川内村内で作付けを行う田んぼは30。
販売目的ではなく、全て検査のために行われる。

昨年10月に秋元さん自ら農業総合センターに持ち込んで、調査した玄米からはCs134,Cs137は検出されなかった。
(土壌からはCs134 133Bq/kg、Cs137 155Bq/kgが検出された。)
しかしながら、福島第一原発から30キロ圏内の作付け禁止区域で収穫されたコメに関しては、
農水省によって廃棄が命じられており、秋元さんのコメもやむなく廃棄された。

「自分で廃棄したら気が狂っちまうから、役所の人間に廃棄させたよ」。

秋元さん含め、今年作付けをする農家は、収穫したコメから放射性物質が検出されなかったとしても、
廃棄される可能性がある。そんな中で、作付けを始めた。

今年は県外から多くのボランティアを呼んで、稲を植え終えた秋元さんの田んぼ。
「仮に双葉ブランドで流通したとしても、ほとんどの人は買わねえべ。
だから、ボランティアとして田植えから収穫まで経験してもらった上で、
直接、自分の目で見た物を買って欲しい。」

6月には害虫駆除等の為にアイガモを田んぼに放す。

原発が収束していない状態で、除染もままならない状態で帰村宣言が行われ、
補償がいつ終わるかも分からない状態で、村民は食べていく方法を探さなければいけない。
そんな中で、秋元さんは作付けをする選択肢を選んだ。




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福島県川内村貝ノ坂 2012年5月15日

川内村が除染を行う鍋倉の汚染土仮置き場から約10分、山道を車でさらに登って行くと、
内閣府が大林組JVに委託した除染モデル実証事業で取り出された汚染土仮置き場がある。
約4400個のトンバックは昨年11月から今年5月まで行われた貝ノ坂集落、6世帯、22haの農地、森林、民家、
道路を除染して生み出されたもの。もっとも線量の高い袋で80mSv/hとのこと。
一旦集めた汚染土の入ったトンバック(黒い袋)を線量に応じて選り分け、
表面には線量の低い袋が来るように配置した。汚染土からガスが発生し、火災が起きないようにガス抜き用の口を作り、
汚染土から沁みでた水が地中に浸透しないように、汚染土から漏れでた水は、溝を通り、
タンクに保管されるようになっている。
トンバックの上には遮光シート、防水シート、保護シートなどが何層にもなって重ねられ、
それぞれが接着されているとのこと。

日本原子力研究開発機構(JAEA)の現場担当者が話すところによると、
「こんなに経費をかけたものを、本当に動かすのかね。もったいないよね。」と。
事業形態について問うと、
「大林組が請け負ったものを関西の企業が受けて、最終的には地元の企業がやってるんじゃないのかな。」と。

参考:警戒区域、計画的避難区域等における 除染モデル実証事業


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福島県川内村の風景 2012年5月16日

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